発言者: Oyanagi
発言日: 01/06/07(Thu) 23:58
きんちょさんのまとめ、大変参考になりました。
> さて、最後の益岡の説は、一冊の本になっているので、ここで簡単に要約することは困難です。あえていえば、Oyanagiさんの説明は、だいたい益岡の説に そったものだと いえそうなので、それを参照してもらったほうが いいかもしれません。
実は、自分のHPのプロフィールにある「私を変えた一冊」というところにもあげましたが、益岡氏の『モダリティの文法』には多大な影響を受けています。例の「のだ」の考察も(最後に参考文献として挙げてありますが)あれがベースになっています。
特に『叙述様式判断型』という概念は”強烈”でしたね。あれがベースになって、談話の視点で組み直したのが私の「のだ」の考察です。
益岡氏の久野説への批判は説得力があると思います。野田氏が提唱する「スコープ」という概念は非常に分かりやすい概念だと思いますし、特に複文の場合(「〜から〜のだ」「〜ば〜のだ」など)にはその威力が発揮されます。スコープの概念は形式名詞の「の」の働きを構文レベルで捉えたもので、その機能が『叙述様式判断』というモダリティのために使われるということで、両者は密接に繋がっているのだと思います。
(ちなみに私がここで『繋がっていると思う』ではなくて『のだと思う』というのもそのように事態を確定したいというモダリティが働いたためだと思います)やはり基本的は『叙述様式判断』のようなモダリティに収斂されるような気がします。
なぜそう思うかというと、日本人の談話では常に共有されている情報をお互いに意識しながら、”かつ、それが言語形式として表われる”のが特徴だというのが持論です。そうすると、何を、どの部分を確認しあうのかとうことをマークできないとコミュニケーションがうまく運ばないことになります。マルチプルチョイスにしろ、スコープにしろ、焦点にしろそのようなものを活用することで目的を達していることを考えると、『叙述様式判断』というモダリティということを考えることがより重要ではないかということです。
> ・益岡の説をみとめるとしても、「叙述様式判断型」という文が形態面からは定義されていないので、日本語教育に どこまで応用できるかという問題が ある。
とうことで、私は個人的は『叙述様式判断』というものは日本語の特徴としてもっと注目されていいのではと思っています。日本語教育にどこまで応用できるか? そこが重要ですね。
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ちょっと話はそれますが、アルクの掲示板できんちょさんとやりとりした「〜へと(向かう)」に表われる「と」の解釈も実は大きな枠組みではつながりがあると考えています。あの時は「と」が引用かどうかということがちょっと議論になりましたが、それまでは考えてもみなかったことですが、なぜ日本語では引用に「と」が使われるのか?ということです。
これは『基礎日本語辞典』の受け売りですが、「AとB」という「と」の使い方と通じるものがあるというのは非常に示唆的です。「Aと思う」というとに、日本人は『自分の考え』と『A』が同じであるという認識の仕方をするということは、ある事態をどのように叙述するのかという先の『叙述様式判断』のモダリティに通じているのでは、というのが私の考えです。
う〜ん、やっぱりモダリティは面白いです。
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