発言者: きんちょ
発言日: 01/06/21(Thu) 13:25
● つぎの部分は、いままでのSakananomeさんの主張には なかった部分ですね。最初から そういう主張だったとは おもえないのですが、この際、そんなことは かまわないのであって、これをちゃんと みとめてくださることのほうが 大切です。
----Sakananomeさん(No.593)------------------>>>>
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・「のだ」は「のです」「んです」(以下「のです」と「んです」はほぼ同じとし、「んです」に代表させる)に置き換えることができると思います。「のだ」から見た「んです」は同じ物です。でも「んです」のかなりの部分は「のだ」に置き換えることはできないと思います。「のだ」にくらべて「んです」ははるかに多くの働きをもっているからです。「んです」から見れば「のだ」は同じとは言えないと思います。
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<<<<-------------------Sakananomeさん(No.593)----
これは、
「んです」のカバーする範囲=「のだ」のカバーする範囲+α
ということを いっていらっしゃるのだと おもいます。ですから、この「α」の部分については、「のだ」の研究でもって「んです」の分析の代用は できないけれども、「α」以外の部分は代用できるということじゃありませんか?
● 語学の研究というのは用例採取が基礎になりますから、「カバーする範囲」については かなり客観的な議論が できます。論文になって あらわれているのは、採取された用例をもとにした分析の部分が おもで、基礎になっている用例じたいは すべて あらわれてくるわけでは ありません。しかし これは、「カバーする範囲」について いいかげんに とりあつかっているということではなくて、そこには 議論の前提としての共通認識があるものと かんがえられるから、あえて くわしくは ふれていないのです。
「んです」と「のだ」がカバーする範囲の こまかい ちがいについては、わたしが(No.528)で説明したような指摘が されており、これについては おおきな見解の ちがいがないので、「のだ(のです、んです、)」の分析においても それが議論の前提になっていると いえるでしょう。
つまり、うえに わたしが かいた「α」の部分について しったうえで、「α」以外の共通部分をつらぬいている性質は なんなのかということを「のだ」の研究と いわれるものの大部分が とりあつかっているのです。
● これだけ説明すれば、「のだ」(に代表される変異体)の研究が「んです」の研究でもあるのだということは簡単に納得できると わたしなんか おもうのですが、それでも「α」の部分に こだわるのであれば、なにが「α」なのかということを明示することが必要だと おもいます。
● たとえば、
「どこに行くんですか(問いかけ)」と言えても
「どこに行くのだか」とは言えない
と いうことが、この「α」に かかわることなのかと いえば、それは ちがいます。「んです」も「のだ」も活用する単位なのであって、その活用のしかたが、おなじではないと いうことです。
これは、
「うみに いくだろう」と いえても、
「うみに いきますだろう」とは いえない
という事実をもって、「いく」と「いきます」は ちがうと主張するようなもので、とりたてて「んです」と「のだ」の活用の しかた以上の ちがいを説明したことには ならないのです。ここに かかれたこと自体は、単に「のです/んです」の疑問形は「のですか/んですか」だけれども、「のだ/んだ」の疑問形は「のか/の↑」であるという了解が ひとこと あれば解決することでしょう。そして、この「了解」は、一例をあげれば「きれいです」と「きれいだ」についての同様の「了解」と おなじ類型をしめしているのですから、なにも非合理なところは ありません。
つまり、このようなことをいくら ならべても、それは、「のだ」の研究をしている ひとたちは とっくに おりこみずみであって、その研究が「んです」の おおきな部分に適用できるということに対する反証には なりません。
(たとえば、野田春美さんの著作に『「の(だ)」の機能』という本が ありますが、このタイトルに「の(だ)」という かきかたが されていること自体が、ここでSakananomeさんが指摘したことをふまえたうえで、「のだ」「のです」「んだ」「んです」「の」などの形態で実現される表現の「共通」の部分をとりだして分析しているのだと いうことをしめすための工夫だということが わかると おもいます。ちなみに、野田さんは、「のだ」と同等に あつかえる「の」と、そうでない「の」についても論考をだしています。それだけの てつづきをはぶかずに研究しているのです[(No.528)参照]。それでも Sakananomeさんは、あいかわらず、「のだ」の研究は「んです」の研究ではないと主張するみたいですが。)
● ちなみに、うえの例は、みちで しっている ひとに あったときに、
「どこに いくんですか」と たずねるのが自然で、
「どこに いきますか」とは いいにくいという事実
と、その あいてが したしい ともだちだったときにでも、
「どこに いくの」と たずねるのが自然で、
「どこに いく?」とは いいにくいという事実
との あいだに同質の関係があるということをしめすのには好例です。
つまり、この例ひとつをみても、Sakananomeさんの以下の疑問点には、一定の解答が でているということです。
----Sakananomeさん(No.593)------------------>>>>
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1 「どこに行くんですか(問いかけ)」と言えても「どこに行くのだか」とは言えない。「どこに行くの」「どこに行くのか」が「のだ」に入るのかどうかはなんとも言えない。
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<<<<-------------------Sakananomeさん(No.593)----
「なんともいえない」のではなくて、うえのような例では、はっきりと「対応している」と いえるのです。
そして、
----Sakananomeさん(No.593)------------------>>>>
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「のだ」の研究がかなりあってもそこから「んです」の意味働きを導きだすことはできないと思います。「んです」の分析は最初から「んです」として始めなければならないでしょう。
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<<<<-------------------Sakananomeさん(No.593)----
などと いうわけではないと いうことが、この例をみるだけでも、よく わかります。
● Sakananomeさんの たちばに たって、「α」の部分を擁護しようと おもえば、わたしが(No.528)で すこし ふれたことですが、ひとりごとのような内的言語では「のです」「のだ」の形式は あらわれないと いうような観察は有意差であるかもしれません。また、以前に かいたように、はなしことばでの「のだ」(と その変異体)の あらわれかたと、かきことばでの「のだ」(と その変異体)の あらわれかたには、たしかに ちがいが あります。
しかし、これは より本質的には、音声言語と文字言語の ちがいなのではなく、ダイアローグとモノローグの ちがいなのではないかと おもいます。ダイアローグ(別に2人と かぎる必要は ないのですが)であれば、文字言語であっても、「問いかけ」「確認」「相づち」「驚き」などの用法が あらわれてくるでしょう。また、常体と敬体とでの あらわれかたの ちがいに ついても、さきほどの「どこへ いくんですか。/どこへ いくの?」のように、基本的には対応することが ほとんどだと いえるでしょう。これは、教科書にでてくる敬体の会話で「んです」が つかわれている部分を常体に なおしたときに「の」が必須であるか、すくなくとも自然であると感じられるものが ほとんどであること、反対に、「の↓」「んだ」が つかわれている常体の会話を敬体にしようとすると、「んです」が、「の↑」が つかわれている常体の会話を敬体にしようとすると、「んですか」が必須であるか、すくなくとも自然であると感じられるものが ほとんどであることから わかります。これについても、いままでの投稿で実証してきました。こうした方法で、より おおくのネイティブ・スピーカーをモニターにして調査していけば、はっきりすることだと おもいます。
akizuki.pr.co.kr/
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