発言者: Oyanagi
発言日: 01/06/24(Sun) 20:31
柔道家クレイグ・モナガンさん、こんにちは。
類義語の対処の仕方ですが、両者の意味がどのように重なっているかを調べてみるといいと思います。
大まかに言うと(ア)と(イ)の場合があると思います。
(ア)
−<X>−−−−−−
| −−|−−<Y>−−−−−
| A | B| C |
| | | |
| −−|−−−−−−−−−−
−−−−−−−−−−
(イ)
−<X>−−−−−−−−−−−
| −−−−<Y>−−−−− D|
|| E | |
|| | |
| −−−−−−−−−−−− |
−−−−−−−−−−−−−−−
「そもそも」と「もともと」は(イ)のような関係ではないでしょうか。
つまり、「そもそも」の意味には中心の意義として「もともと」があるんだけれど、それに何かがプラスされていると考えられます。そのDの部分をうまく説明できればいいと思います。
私の語感では中心となる「もともと」は客観的に観察によって得られた情報の部分でまさに「元(=あることがらの一番始め)」の部分ですね。それに話者の主観的な部分が加わったのが「そもそも」ではないかと思います。
具体的には(1)や(2)のような場合だと思います。
(1)ものごとの本質を述べる
※「本質」というのは辞書的な定義と違って人によって異なってもいいですよね。
(2)ある出来事の原因のことで(相手を)「非難」の気持ちを込めて述べる
そうすると、(1)や(2)の場合には「もともと」も使えないことはないけれども、「そもそも」がふさわしい選択となって(→a,b)、逆に(1)は(2)がない(=客観的な事実を述べる)場合には「もともと」がふさわしということになる(→c)と思います。
a)「そもそもお前があんなことを言い出すからこんなことになったんだ!」
b)「そもそも政治家というものは公僕であるべきだ」
c)「この本はもともと山田さんが手に入れたものです」
「今は日本語教師をしていますが、もともとは学校の事務員でした」
そこで問題の文を観察すると、
+++++
この地方に数年あるいは数十年ごとに津波の起こるのは既定の事実である。それだのに、これに備えることもせず、うかうかしているというのは“そもそも”不用意千万なことである。
+++++
「それだのに」「うかうかしているというのは〜である」という語彙、文脈からして(2)の場合に相当するのではないでしょうか。
『自治体は”もともと”これに備えることをしていなかったのである』のように客観的な記述にすれば「もともと」も可能でしょう。
以上のことは『日本語文型辞典』(くろしお出版)の「そもそも」「もともと」の例文と解説を参考にしましたが、類義語の違いはなかなか国語辞典ではわからないことが多いですから、点さんが挙げられたような類義語辞典とか日本語教育用の用語辞典を参照されるといいと思います。
www3.tky.3web.ne.jp/~oyanagi/index.html
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